
『朝ご飯』を食べてこないH君(小1男子)
切っ掛けは担任の先生からのご相談でした。その先生は小学校1年生の受け持ちで、毎日朝の会でクラスの児童に朝食を食べて来たかを尋ね、食べて来た児童に手を挙げさせていましたが、いつもほとんどの子が手を挙げる中、H君は一度も手を挙げたことがありませんでした。家庭に連絡する時に、それとなく朝食について尋ねますが、母はいつも「毎朝食べさせています」と答えるのだとのことでした。
先生は母の虐待、ネグレクト(養育放棄:この場合、母がF君に朝食を与えておらず、ウソをついている可能性)をうたがい、スクールカウンセラーの私に対応を相談してくれました。そこで私は、H君と昼休みに少し時間をもらって話してみることにしました。H君は、特にやせ過ぎているとか見える範囲にアザや切り傷もなく、よくいる元気な男の子でしたが、話をしてみると事情が分かりました。
先生はいつも「朝ご飯、食べてきたかな?」と皆に尋ねていましたが、H君の家では朝食は主にパンだったのです。H君は「僕はパン食べて来たからご飯(ライス)は食べてない」と思い、手を挙げなかったのでした。
結果的にみればH君も母もウソはついておらず、誰も悪くないというお話ですが、H君の『言葉を表面的に、文字通りに受け止めてしまう、思考の固さ』は、もしかすると発達障害である可能性がうかがえること、今後同じような状況で意思疎通のズレから人間関係トラブルが起こりやすい可能性が考えられることは担任の先生にお伝えし、少し注意して目を配る必要がある児童ではとアドバイスさせて頂きました。